走ること―ランニングは、時と場所を選ばずひとりでもできるという意味では、一番身近なそしてシンプルな運動です。
敷居が低く始めやすいのは確かですが、その「いつでもできる感」が「今じゃなくてもいいか」になりやすく、気が付いたらだいぶお休みしてしまった、なんてこともよくあるんじゃないでしょうか。
そんな中でも、コンスタントに、その人なりのペースで走り続けている人がいるのも確かです。
中にはもはや走ることがその人の一部になっていると言ってもいいくらいに走っている方も。
でも、この人たちはなんでそんなに走ることを続けていられるのだろうか?
どうやって走っているのだろうか?
きっとそこにはひとりひとりの続けていくコツというか、続けずにはいられない理由があるんじゃないかと思います。
お話ししていただいた飯野久子さん
〔種目〕トレイルランニング、マラソン、ウルトラマラソンなど。
歯科衛生士、3人の息子の母。看護学生、今年度卒業見込み、来年から晴れてナースになります!
utmf ultra trail mt.fuji 2018 初めて100mileレースで完走しました。来年は UTMB にチャレンジする予定。
走歴は8年目、東京マラソン2011を当選したことをきっかけに走ることに。
トレラン歴は5年目。山に魅力され、山を走ることに幸せを感じて、夢だった100マイラーになれました。来年は海外レースにも参加することを夢見ています。
お話しをする飯野さん
写真で見た自分の体形にビックリして、走り始めることに
10年前、3人目を出産した時に身体が戻らなくて、8kg増えてしまいました。
ご飯が美味しくて、5食くらい食べていましたので。(笑)
この時、服はきつかったけど、なんとか着れるし、「太っている」と実感はなかったんですけど・・。
ある日、子どもの運動会で親子競技に出て、一緒に後ろ姿が写っている写真を見て、「誰これ?」と思う女性が写っていたのですが、なんと実はそれが自分の後ろ姿で、「え!これは嫌だ、痩せよう!!」と思ったのが、走り始めたきっかけです。
とは言っても、下の子が2歳の頃に走り始めたので、運動する時間もなくて。
運動したら痩せるとはわかっていたのだけど、何をしようかな?と思った時に、「あ!ランニングってお金かからなさそう」と思って、とりあえず身体を動かしたらいいのではないかと、2011年頃から走り始めました。
朝、家族が寝ている時間を有効活用して、まずは30分だけ走ろうと走り始めました。目標のフェンスを決めて、そこまでタッチして戻ってくるというのを続けていたら、次第に気持ちいいと思うこともできました。
「太っていた」という飯野さん
フルマラソンに向けた練習中にハプニング!
そんな中、地下鉄に乗っていたら「東京マラソン募集!」の広告を見て、「ん?マラソン大会?」と思って、試しにエントリーしたら当たってしまって!
「あら、当たってしまった。フルマラソンって何キロだっけ・・?」
とそんなレベルだったのですが、練習しようと本を読んで練習を始めました。
ある日、「今日は15km走るんだ!」って走りに出たら、家に帰れなくなっちゃって。(笑)
しかもなにを思ったか、お金も水分も何も持っていなかったんです。
お金もないし帰れないので、警察に行って、500円を貸してもらって家になんとか帰りましたが、その時も10kmしか走れなかったです(翌日きちんと返しにいきました)。
でも、本によると、フルマラソン前には30km走をした方がいいと書いてあって、夫の実家が九州ってこともあって、東京マラソンの1か月前に、練習も兼ねて指宿(いぶすき)菜の花マラソンに出ることにしました。
痛い目に合うかなと思いながら出場してみたら、4時間45分で完走しました。自分でも驚くほどとっても楽しかったんです!!
ちなみに最初のこのマラソン大会では、「最初から突っ込むな」という義理兄のアドバイスを聞いて、とりあえず長い時間動き続けなければいけないということで、のんびりと走りました。
あと、沿道で坂道前になると喝を入れてくれるおばあさんもいたり、エイドステーションも充実していて、走っているというより食べに来てるという感覚で。食べることが、すごい楽しかったです!
そしていよいよ1か月後に東京マラソンに出て、4時間半でゴールしました! タイムがどんどん速くなっていって楽しくなり、今までマラソンは20回以上走っていると思います。
いぶすき菜の花マラソンに出場した飯野さん
UTMF(ウルトラトレイルマウンドフジ)を完走! そしてこれからも・・。
2014年からトレイルランニングを走りはじめたら、これがまたまた楽しくて。マラソンよりトレイルランニングという感じで、今は山の方ばかりいっています。
山ばかり走っていたら、100マイル(約160km)というレースがあって、「いつか出てみたいなあ」と思っていたのですが・・・、今年、UTMF(ウルトラトレイルマウンドフジ)に出てしまいました。(笑)
100マイルを笑顔で完走!
UTMFのレース中、気持ちと身体が興奮しているから、眠くないんです。
100マイルって制限時間が46時間で、ほぼ2日間かけて走るのに、夜も40分くらいしか眠れなかったんです。
そしたら、山の登りって淡々としているし、走りながらふらふらして、右も左も崖で寝たら危ないって分かっているけど寝ちゃって・・・(走りながら)。
そしたら他のランナーのことがトントンってして起こしてくれたり。
マラソン大会って競い合うランナーはライバルですけど、ウルトラレースってみんなが仲間なんです。みんなでゴールを目指して、レース中も助け合います。
そうそう、レース終盤には、幻覚を見ました。お金が土に埋まっているんです。(笑)
気づいたら「お金が土に埋まってる!」って掘り始めていて、他のランナーの方に「なにを掘ってるんですか?」と声をかけてもらっても、「ほら、ここにお金埋まってますよ!」って、必死に掘っていました。(笑)
そのくらい大変ですけど、やっぱり楽しくて、また出たいなって思っています。
妖精のような足取りで山を駆ける飯野さん
大会に出るとラン仲間にあったり、一緒に山に行く人が増えたり、それが楽しくて。
これからは海外マラソンとかも出てみたいし、スポーツをやっていてよかったなと思っています。
仲間との練習はやっぱり楽しい!
今回は南西旅行開発株式会社さんのオフィスで、約20名の皆さんにお話しを聞いていただきました。
皆さん、ありがとうございました!
「ラン(マラソン)で結ぶ」をコンセプトに、主に海外マラソンの情報と魅力を中心に発信しています。スタッフ全員が、マラソン(特に海外マラソン)が大好きで、たくさんの人に海外マラソンの楽しさを広めたいと思っています!