ゴール直後。台湾一高い「台北101」は雨に霞んで先端が見えません
台湾人が評価する台北マラソンとは?
安近短で行ける台湾で行われる台北マラソンは、初の海外レースに最適と評判。でも本当にオススメなのか?
「何で台北マラソンは12月なのかな?毎日雨なのに」
「毎年フルマラソンを走る上司が『コースの半分以上は河川敷。市内の同じところをグルグル走らされるモチベーションの上がらないコースだ』って言ってた」
これ、台湾人の発言です。2018年の台北マラソンでフルを走った経験から、台北マラソンを本音で紹介します。
ランナー受付は木曜日と金曜日がベター
レースは日曜日ですが、私は金曜日の夕方にマレーシアから台北に入りました。空港で、台湾人の友達と再会!
まずランナー受付のため、桃園空港からエキスポ会場の台北世貿三館へ。
友達いわく「土曜日はすごく混むから」。するとこれが大正解! 土曜日、モチベーションアップのために再びエキスポ会場へ行った私の目に入ったのは、ゼッケンを受け取るために、最低1時間は待たなければならないと思われるほど、ずら―――――っと長いランナーの列……金曜日は待たずに受付できたのに。
受付は木曜日か金曜日に行くことを強くオススメします。
エキスポ会場は、たくさんのブースがあり、ゆるキャラ(?)もいてお祭りムードを満喫できますよ。
ランナー受付では、スタッフが英語で丁寧に説明してくれました
土曜日のレースパックコレクションは長蛇の列!!!
ゆるキャラ(?)といっしょに
レインレースを前提に準備しよう
台北マラソンは毎年12月上旬。台湾人の友達いわく「この時期の台北は雨ばっかり」。
実際、私が台北に滞在した4日間はずっと雨。レインレースになる確率が高いので、使い捨てカッパを準備するなど、レインレース前提の準備をすることをオススメします。日本よりも暖かいですが、冬の雨降る台北はかなり冷えるので。
フル6:30、ハーフ7:00のスタートまでは、台北市政府の軒下や仮設テントなど、雨の当たらない場所で待機しましょう。スタート地点に仮設トイレがたくさんあるので、トイレの心配はありません。
まだ真っ暗な中、スタート前に、仮設テントで雨をしのぐ。カッパ必須
スタート地点の台北市政府前広場には仮設トイレがずらり
雨の中、台北101からスタート。台湾の観光名所を巡るコース
スタートは台北市政府前広場。有名な高層ビル・台北101の真下です。
6:30に雨のやむ気配のないままフルマラソンの号砲。昨年、神戸マラソンの調整で出たハーフのレインレースで怪我をし、本命の神戸マラソンに出られなくなった経験から「雨の日はゆっくり走る」をモットーとする私。
怪我なく完走することだけを考えて走ることにしました。
スタート直前。台北101を背景に、近くにいた上海女性と
同じところをグルグル走り、コースの半分は河川敷
景福門、中正記念堂、総統府前などの観光名所を駆け抜け……再び景福門の前へ。
「あれ?さっきもここを通ったような……」そう、同じところをグルグル走るのが台北フルマラソンの特徴。
その後、河川敷へ誘導されました。何と、コースの半分は河川敷! 景色が変わらない上に寒い。正直言ってフルのコースは退屈です。給水・給食(バナナ・ウェイハース・クラッカー等)・トイレの数が十分だったことや、「加油!」とたくさんの市民が応援してくれたことが利点でしょうか。
市内に戻り、1km続くトンネルを抜けるとゴールは目前。1年以上ぶりのフルマラソン、しかも雨……それでも私はまだフルを完走できるんだと感動していました。
よし、最後はBig Smileでゴールするぞ、と決め、台北市政府前でゴール! 4時間40分25秒という自己ワースト記録でしたが、とても満足していました。
ゴール直後。完走メダルとタオルを受け取る
計測チップ返却でNT$100返金!完走賞もいっぱい
完走メダルとタオルを受け取り、年齢も性別も国籍も関係なくお互いの健闘をたたえ合って記念撮影……というのが海外マラソンの定番ですが、今回は雨降りのため早々に切り上げ。早々に完走賞を受け取って帰途につきました。
完走賞は、Tシャツ、シリアルバー、snickers、バナナ、ジュース、走った後にしてはヘビーな辛口ダレ鶏肉弁当、そして謎(?)の鶏エキス。計測チップを返却すると、NT$100を返金してもらるので、忘れずに!
完走賞品がいっぱいもらえる
adidasの完走Tシャツは、布地や縫製がしっかりしていて長持ちしそう
「千と千尋の神隠し」の九份・世界4大博物館の故宮博物院
台湾の観光・グルメも楽しみたいですね。私は台湾人の友達の案内で、前日に世界4大博物館の1つである故宮博物院を訪れ、レース当日はマッサージと火鍋を満喫。翌日は「千と千尋の神隠し」のような情景が広がる九份へ。温泉でマラソン疲れを癒すのもおススメ!
「千と千尋の神隠し」のような情景が広がる九份
台北マラソンのメリット&デメリット
実際に、台北でフルマラソンを走ってみて。
メリット
・雨でなければ、マラソンに最適な気温。
・日本から近いのでコストが安い。時差が1時間で体に負担が少ない。
・食事が美味しい。ランナーの味方である米、バナナが簡単に入手できる。
・大会運営がスムーズ。給水・給食・トイレが充実。
・観光やグルメも楽しめる。マッサージや温泉でマラソン疲れをリフレッシュできる。
デメリット
・12月の台北はほぼ毎日が雨降りで、レインレースの確立が高い。
・フルマラソンのコースは河川敷が多く、トンネルや同じ場所を走るところもあり退屈。
・日本の大会に比べると、スタート時刻が早い。
・路上で応援してくれる人もいるが、日本の大会のほうが応援は多い。
個人的には――「また台北マラソンを走りますか?」と尋ねられたら、「次に台北を走るとしたら、ハーフで出ます」と答えます(苦笑)。雨の海外フルマラソンは私には厳しいので。
台北マラソンの基本情報
■大会開催日
毎年12月初旬開催
■気温・気候
日本の冬よりはやや暖かい。例年は、連日雨のことが多い。
■エントリー方法
大会ホームページ(日本語)よりエントリー可能。
http://www.taipeicitymarathon.com/jpn.php
マレーシア・KL在住のフリーライター・編集者。海外渡航回数は50回以上。マレーシアでは月2~3回のペースでマラソン大会に出場している。フルマラソンの自己ベストは4時間18分。サブ4を目指しつつも、 タイムよりケガなく楽しく走ること重視のファンラン派。趣味はランニング、登山、ムエタイ、旅行。