(マレーシア)早朝スタート、ドタキャン…日本とマレーシアのレースの違いBEST 5

マレーシアではスタート前にZumbaを踊る!?

マレーシアの首都・クアラルンプール(KL)でランニンググループに所属し、月に数回はマラソン大会やファンランイベントに出場している私。 いい意味でも、悪い意味でも「日本の大会では考えられんなっ!」 と思う出来事に遭遇することもしばしば……。

表彰台でトロフィーを受け取る私。日本ではこんなこと無かった;笑

 

今回は、私が2019年最初の大会として10kmの部で出場した「New Year Heroes Charity Run 2019」を例に「マレーシアと日本の大会との違い BEST 5(私的)」を紹介します。

参加賞。マレーシアではどの大会でもほぼ全員が参加Tシャツを着用している

 

その1:メール1本でのドタキャン、スタート遅延も当たり前?!

のほほんとした雰囲気のランナー受付

 

私が感じるマレーシアの印象は「約束をよくドタキャンする。 しかも連絡もよこさず、勝手に来ない人もいる。」「時間にルーズな人が多い。」です。 個人レベルだけでなく、国の制度とか手続きとか、大事なことがいつの間にか変更されていることもしばしば。

マラソン大会もその例にもれず。この1年間、数々の大会にエントリーしましたが、1週間前に突然メール1本で開催延期を告知されたり(しかも理由の説明ナシ)、スタート時刻が数十分遅れたことも1度や2度ではありません。今回も、大会前日のランナー受付場所の変更を8日前にメール1本で告知されました。

8日前に送られてきたランナー受付場所の変更案内メール。理由の記載ナシ

 

当日も、10kmは7:00スタートだったのに、警察の到着が遅れたとかで、7:15スタートに……。日本ではまず考えられませんよね。

スタート時刻の7:00が過ぎても,警察の到着待ちでスタートできず;泣

 

その2:フルなら3時スタートも。マラソンは早朝&夜中に開催

 

治安が悪いから早朝移動は相当に怖い。会場の明かりが見えるまで猛ダッシュ

 

マレーシアは1年を通して日本の夏のような気候。日中は蒸し暑く、マラソンには不適です。日本のようにスタート時刻を9:00や10:00にすると、確実に熱中症患者が出ます。

そのため、マレーシアの大会は早朝および夜中の開催がほとんど。フルマラソンなら早朝・夜中の3:00や4:00スタートということも。だから私は、日本ではフルかハーフしか走らないのに、マレーシアでは10kmまでしか出場しません。スタート時刻が7:00以降の大会となると10km以下しかないのです。

そしてマレーシアは夜明けが遅い。朝7時を過ぎてやっと明るくなるイメージです。今回、私は始発電車に乗って会場に向かったのですが、最寄りの Masjid Jamek 駅から Padang Merbok の会場まで真っ暗な中を15分も歩くハメに……これがものすごく怖い! 治安の悪いKLにおけるこの早朝移動には、毎回ハラハラさせられます(泣)。

真っ暗な中でZumba。マレーシアではスタート前にZumbaがあることが多い。ナゼ?

 

その3:ヒジャブの女性ランナー、コース上にイスラム教の礼拝室

マレーシアの国教はイスラム教。町を歩いていると、ヒジャブ(スカーフ)を着けたムスリム女性をよく見るし、駅やショッピングモールといった公共の場所にはたいていスーラウ(礼拝室)が設置されています。

マラソン大会ではどうなのか? ムスリム女性ランナーはヒジャブ着用で走っています。暑くないのか? また、今回の大会は設置ナシでしたが、以前に出た大会ではスタート地点に1か所、コース上にも1か所、スーラウがあるのを発見! 走っている途中に祈る人がいるのかは未だもって謎です……。

ヒジャブ着用の女性ランナー。私は見慣れているが、日本人は、たいてい驚く

 

その4:ほぼ歩きの人も!ただ楽しむために走る人が多い

日本人は勤勉なのか、事前にいっしょうけんめい練習して、真剣に走って、前よりもレベルアップしなくちゃいけない、と考える人が多いと思います。

マレーシアでは、もちろん自己ベストを目指して真剣に走っている人もいるけれど、ただ単に楽しむために出場している人がとても多いと感じます。最初から最後までほぼ歩きの人も多いし、幼児とその両親が一緒にのんびり走っていたり、中にはベビーカーを押して走っている人も!

ベビーカーを押しながら走るランナーを見ることも多い

 

私は日本に住んでいた頃、ベストタイムを更新することばかり考えていました。更新できればうれしい! 更新できなければ落ち込むだけ。でも、マレーシアでただ楽しんで走っているランナー達を見ているうちに、彼らから「別に速く走らなくてもいいんじゃない? 無理に走ってケガをしたり、自己ベストじゃないからと自分を責めるなんてつまらない。ただ楽しく走ればそれでいいんだよ。」 と教えてもらった気がします。

反面、日本ほどレベルが高くないため、上位入賞や賞金GETのチャンスも。今回、私は自分のカテゴリで10位になり、表彰台でトロフィーをGET! 日本では考えられない……!

完走メダルと10kmの女子35歳以上の部10位の入賞カード

 

その5:抽選会で高額商品をGETできるかも!

完走賞もたくさんもらえる

 

今回の 10km のコースは、3~4つの山越えを含むアップダウンの激しいコースでした。私も上り坂では何度か歩いたほど。ゴール後、完走メダルと参加賞(シリアル,ビタミンCタブレット,フレーバーティー,湿布薬,水)の入ったバッグを受け取り、後続ランナーがゴールするのを待ちました。

会場では、シリアル、MILO、コーヒー、プロテインが飲み放題で提供されていたので、それぞれ3~4回ずつもらい、表彰式まで時間をつぶしていました。

無料のシリアル。3回もらいに行きました

 

無料のMILO。4回もらいに行きました

その後もライオンダンスがあったり、地元のおばさん方のダンスパフォーマンスがあったり。「早く表彰してよ。こっちは朝4時に起きて10km走って疲れてんだよっ!」 とイライラし始めた頃、やっとLucky Draw(抽選会)がスタート。

司会者が全員のゼッケンNo.と名前が書かれたクジを引き、自分が呼ばれたら賞品をもらえるというもので、マレーシアではほとんどの大会で行われています。今回は、消火器とかそれほどありがたくない賞品でしたけど、大会によっては、ホテルのディナー券やテレビ、ランニングマシーン等の豪華賞品が当たることも! 残念ながら私は、一度も当選したことがありません(泣)。

良い面でも悪い面でも、日本との違いを感じるマレーシアのマラソン大会。レース出場を通して、マレーシアの生活習慣や国民性、宗教を感じてみるのもいいかもしれません。

 

New Year Heroes Charity Runの基本情報

■大会開催日

毎年1月開催

■気温・気候

日本の夏の気候。夜明けとともに気温も湿度も上昇する。

■エントリー方法

下記のレース情報サイト(Checkpoint Spot)よりエントリー可能(英語)

http://www.checkpointspot.asia/Event/EventInfo.aspx?EventCode=n5B1nQNIAmM%3d

 

マレーシア・KL在住のフリーライター・編集者。海外渡航回数は50回以上。マレーシアでは月2~3回のペースでマラソン大会に出場している。フルマラソンの自己ベストは4時間18分。サブ4を目指しつつも、 タイムよりケガなく楽しく走ること重視のファンラン派。趣味はランニング、登山、ムエタイ、旅行。

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マレーシア・KL在住のフリーライター・編集者。海外渡航回数は50回以上。マレーシアでは月2~3回のペースでマラソン大会に出場している。フルマラソンの自己ベストは4時間18分。サブ4を目指しつつも、 タイムよりケガなく楽しく走ること重視のファンラン派。趣味はランニング、登山、ムエタイ、旅行。